税金の知識

退職して無職になる失業者向け《税金関連やることリスト》住民税・健康保険料・年金・所得税・雇用保険

こんにちは、サラリーマン時代は給与明細の項目の意味なんて少しの興味も沸いていませんでしたジュンイチ @t3rjpです。

退職して無職になるにあたり、税金関係が見えなくて不安だったのでいろいろと調べてましたが、各機関が発信している内容はその機関の都合で書かれており、各方面から情報を集めて自分に必要なものを整理するという作業が必要で労力を要しました。

ですので、同じような境遇の方向けに少しでも役に立てば、ということで納めなければならない税金の種類をリスト化すると共に、どのような選択肢をとれるのかを図解を交えてまとめていきます。

当記事では、自分の体験を基に、『サラリーマンが失業するときにすべきこと』という観点で書いています。
また、それぞれの項目で僕の場合はどうしたか?という点についても紹介しており、図解の画像に日付が出てきます。そこは2017年の2月末まではサラリーマンとして働いていたものとして読み進めて下さい。

あらためて前提と僕の境遇の確認

この記事を書いている時点(2017年4月24日)で僕は34歳で2017年2月末付けで約11年間雇われていたシステム開発会社を退職し、次の仕事は未定です。

ちなみに2016年の所得は630万円ほどでした。

次の仕事が決まるまでの間にスポット的にアルバイトなどする事もあるかもしれませんが、退職後の3月からは基本的には収入はありません。

※自身の環境によっては後述の内容や、雇用保険の待遇が変わってくる部分があるので、改めて自身に置き換えてご確認ください。

退職に際してするべきことリスト

さて、ではまず最初に退職に際してするべきことをリスト化してみましょう。

  • 退職手続き
  • 住民税
  • 健康保険
  • 年金保険
  • 所得税
  • 雇用保険(ハローワーク)
  • おまけ(地域の支援制度の活用)

並べてみると結構ありますね。

ちなみに、最後のおまけの項目は確認しといたら良いかも程度です。
(僕は知らなくて20万円もらえるチャンスを逃してしまいましたが…)

それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
僕の場合どうしたか、という事もあわせて記載しておきます。

退職手続き

まず、仕事を辞めようと決断したら、会社にその意思を伝えるところから始まります。

一般的には、退職する日のひと月以上前には伝えるべきと言われています。会社側の体制上の問題と、手続きに要する期間があるから、ということです。

たわしくん
たわしくん
ジュンイチの場合…

2016年10月末に退職の旨を申し出て、2017年2月末の退職でした。
代わりの人がすぐには見つからないからという会社側の都合でしたが、(長年勤めた会社への義理もあり)最終的に2017年2月末の退職となりました。

このように退職の意思を伝えてもすんなりひと月後に退職とならないことも往々にしてあります。退職したいけど必ずしもスグでないといけないのか?会社に伝える際には自分としてはいつまで許容できるかは明確にして臨みましょう。

退職に向けて進めた手続き

会社に退職の意向を告げたのち、退職に向けて進み始めてからやった事をまとめると以下の通りです。

  • 退職手続き関連をするための住所(書類の送付先)・連絡先の確認
  • 住民税の納付方法の確認(一括徴収 or 特別徴収継続)※後述
  • 被保険者離職証明書(離職票)の発行有無の確認(雇用保険の受給に必要)※後述
  • 社員証明書・入館証の返却(最終出社日)
  • 退職証明書の受領(後日郵送)
  • 健康保険資格喪失証明書の受領(後日郵送)
  • 離職票の受領(後日郵送)

最終出社の後にもいくつか書類のやりとりがあるので、その連絡をするための連絡先を伝えたり、辞めた後すぐに別の会社で雇用されるかどうかの確認があります。それによって税金の支払い方法や必要となる書類が変わってくるためです。

住民税(個人市県民税)

市民税と県民税を合わせて住民税と言います。○○市に住んでいる場合、個人市民税を徴収する際は個人県民税もその市が併せて徴収することになっています。 

住民税には、支払い方として普通徴収と特別徴収があります。

普通徴収は、毎年6月に届く納付書で納付する方法です。納期は年4回(6月、8月、10月、1月)で、全納一括払いも可能です。

特別徴収は、事業主が6月から翌年5月までの12回に分けて給与から天引きして、事業主が取りまとめて納付する方法です。サラリーマン(雇用されている人)は原則こちらの方法になります。給与明細に住民税の項目があると思いますが、それがこの特別徴収で納付してるよという意味合いです。

無職になる人の支払い方法

さて、特別徴収という方法で事業主経由で払っていた住民税を、無職になる人はどうするのか?についてですが、方法としては[一括徴収] or [特別徴収継続] のどちらかを選択します。

  • [一括納付] 5月までの支払い分を退職月の給与から天引きで一括支払い。
  • [特別徴収継続] 翌月からの転職先が決定している場合、転職先の会社経由で支払う。
たわしくん
たわしくん
ジュンイチの場合…

会社からどう納付しますか?と聞かれました。次の転職先が決まってないので[一括徴収]を選択し、退職月の給与から5月までの住民税を天引きしてもらいました。

6月以降の分については、6月に納付書が届き、普通徴収で支払うことになります。

住民税の図解イメージ

ちなみに、住民税は1月1日時点で住民票を置いている自治体に払いますので、僕の場合は今年の分は東京都の江東区に住民税を納めることになります。

健康保険料

健康保険への加入は、健康保険証を使うために必須だと思います。怪我も病気もしないから保険証いらないよ、という人は少ないと思います。

これまでは入社時から会社の健康保険組合に加入しており、このあたりも会社任せであまり意識していませんでした。僕と同じく、良く分からないよという人が正直多いのではないでしょうか?

無職になる人の選択肢

会社の健康保険組合には、基本的には会社を辞めたら加入することはできませんが、辞めてから2年間且つ次の雇用をされていない場合に限り、これまで加入していた健康保険組合を継続することができる[任意継続]という方法があります。次の健康保険に加入するまでのつなぎのイメージです。

失業した人の選択肢としては、上述の[任意継続] or [国民保険に加入]という2つの方法があります。

任意継続は健康保険組合のレギュレーションがあり、僕が加入していた健康保険組合の場合は前年の所得から決定されます。

国民保険の料金については、各市区町村の担当窓口で正確に計算してくれます。

たわしくん
たわしくん
ジュンイチの場合…

任意継続と国民保険の支払い料金を比較して、安かった任意継続を選択しました。任意継続を選択した場合は下記の流れで新しい保険証を受け取りました。

  • 健康保険組合に保険証を返送する。
  • 任意継続の申し込みをする。(退職後14日以内にしなければならない)
  • 保険料の支払いをする。(僕の場合は2017年3月分+前納半年分の支払いをしました。)
  • 新しい保険証が送られてくる。

▼2018.4.19追記:任意継続を選んだ1年後、任意継続をやめて国民健康保険に加入することにしました。

国民健康保険の保険証は即発行!任意継続をやめて健康保険組合を脱退こんにちは、およそ1年前に会社員を辞めたジュンイチです。 会社を辞めてからの1年の間、前職の会社の健康保険組合(俗にケンポと呼ばれるも...

健康保険料の図解イメージ

年金保険

公的年金制度と呼ばれる年金保険には、厚生年金と国民年金があります。

雇用されている人は厚生年金に加入し、自営業や無職の人は国民年金に加入することになります。厚生年金を支払っていた期間が長い方が、受給できる額が多くなります。

無職になる人の選択肢

これはシンプルです。役場の窓口で国民年金の支払い申請をするだけです。

ちなみに、国民年金の納付額は年ごとに決まり、平成29年度の保険料は16,490円です。まとめて前払いすると割引きが適用されるので少々お得になります。

たわしくん
たわしくん
ジュンイチの場合…

上記の通りです!市役所の窓口で国民年金の支払い申請しました!

年金保険の図解イメージ

所得税

前年の所得をベースに納付額が決まると勘違いしがちですが、所得税は当年の所得に対して納付額が決まります。

サラリーマンの場合、「毎月の給与額というのはだいたい同じであろう」というのを前提に「なので最終的に所得税はおそらくこれぐらいになるだろう」という金額で毎月源泉徴収されます。

そして、その年の最後に実際にいくらになるのか分かった時に、足りない or 払い過ぎの帳尻を合わせるのが年末調整です。

無職になる人の選択肢

前職の給与(退職月まで)に対する所得税は源泉徴収されているので、徴収され過ぎた分や失業中の収入に対する所得税は2017年分の確定申告をする際(2018年1月~2月)に調整を行います。

たわしくん
たわしくん
ジュンイチの場合…

所得税については特にすることありませんね。

所得税の図解イメージ

雇用保険(ハローワーク)

日本では失業者に対して、下記の条件を満たしている場合について失業保険が貰える仕組みがあります。

  • 本人に就職する意思と能力がある。
  • 積極的に求職活動を行っている。
  • 離職日以前の2年間に被保険者期間が12カ月以上ある。

詳しい内容については、ハローワークのHPなどで調べて頂ければと思います。

失業の手続きについて

雇用保険をもらうためには、下記の装備をしてハローワークで手続きをします。

  • 雇用保険被保険者離職票 ※1、2という決まった様式があります。
  • マイナンバー通知カード
  • 運転免許証
  • 写真2枚 (最近の写真、正面上半身、縦3.0cm×横2.5cm)
  • 印鑑
  • 本人名義の普通預金通帳(郵便貯金でもOK)

「雇用保険被保険者離職票」については、退職後2週間ほどで自宅に郵送されてきます。退職してスグに欲しかったので前職の会社に問い合わせましたが、2週間ほどはかかるという回答でした。

キッチリ2週間後に届いたので、さっそくハローワークに行って手続きをしました。

その手続きをした日が基準日となって、その後の[待機期間(7日間)]や[給与制限期間(3ヵ月間※退職が会社理由の場合は給与制限期間無し)]、[支給対象期間(90日間~)]が決定することになります。
(そのため本当はスグに欲しかった)

おまけ(地域の支援制度の活用)

U・J・Iターンを斡旋している地域もあります。

Uターンは、一度都会へ出た人が再び地元へ戻る事。
Jターンは、都会から地元寄りの中規模都市に移住する事。
Iターンは、全く別の地方へ移住する事です。

今回、僕は地元である鳥取市にUターンするかたちで戻りました。

鳥取市はこのU・J・Iターンを斡旋しており支援制度があります。住民票を移す前にこの支援制度に登録し、用意されているお試し住宅(一泊1200円ほど)に数日間の宿泊実績があれば、移住(住民票を移す)した際に20万円ほどの奨励金がもらえます。

たわしくん
たわしくん
ジュンイチの場合…

この情報を知ったのが、住民票を移した後だったので対象外…になりました(泣)

特に地方ではこの事例のようにUJIターンを斡旋して支援制度を設けている自治体もあるので、確認してみることをオススメします。

まとめのヒトコト

これまで雇用されて生きてきた身としては、会社に任せっきりで詳しく知ろうとすることもありませんでした。

実際に退職して手続きを進めてみて、種類がたくさんあるのとややこしいのとで正直嫌になりましたが、知っているのと知らないのとでは支払う金額が顕著に違ってきますし、そもそも支払いを忘れていた/(^o^)\ という事態にならないためにも、リスト化してひとつひとつ片付けていきましょう。
当記事がご参考になりましたら幸いです。

初めてのハローワーク訪問から雇用保険・失業手当の計算と給付手続き【実績&図解あり】今年の2月末にシステム開発会社を退職して以来、ハローワークに通っています。 退職するにあたり事前にネットでこのあたりの情報を調べてはい...
ABOUT ME
ジュンイチ
今年3月からYouTubeスタートしました。『デスク周りの最適化』をテーマに商品レビューやPC関連のお役立ち動画を投稿しています。【NEXT目標:チャンネル登録者数300人】⇒ YouTubeチャンネルはこちら